遺伝の基礎
クレスのモルフは、遺伝の「しくみ」で大きく3つに分かれます。ここを押さえると、図鑑がぐっと面白くなります。
大前提:メンデルの法則
遺伝のいちばん基本のルール上の3つのしくみの土台になっているのが、約150年前にエンドウ豆の実験から見つかった「メンデルの法則」。 名前は難しそうですが、クレスのブリードで使うのは、たった2つのポイントだけです。
どの遺伝子も、父から1つ・母から1つ、合わせて2つを持っています。この2つの組み合わせが見た目を決めます。
子を作るとき、親は2つのうちどちらか1つだけを渡します。どちらが渡るかは毎回ランダム(分離の法則)。
保因者(N/有)どうしを掛けたとき…
→ N/N : N/有 : 有/有 = 1 : 2 : 1。
つまり平均して 4匹に1匹 がビジュアルになります。
メンデルの元の実験では「1コピーで完全に優性の見た目になる」でしたが、リリーホワイトやカプチーノは1コピーでも中間的な見た目が出る「不完全優性」。自然界にはこの型から少しずれるものも多く、それも含めて下の3タイプに整理されています。
「N/有」がピンとこない方へ → ページ下部に「カードのくばり合い」でのやさしい図解 を用意しました。
不完全優性
Incomplete Dominant遺伝子を1コピー持つだけで見た目に変化が出ます。2コピーそろうと「スーパー」と呼ばれる、もっと強い表現になります。
代表:リリーホワイト・カプチーノ・セーブル・ハイウェイ・エンプティバック。
スーパー(2コピー)は健康問題が出るモルフがあります(スーパーリリーホワイト=致死性、スーパーカプチーノ=鼻孔の縮小など)。各モルフの詳細で確認できます。
劣性
Recessive遺伝子が2コピーそろって、はじめて見た目に出ます。1コピーだけの子は見た目ノーマルですが、遺伝子を隠し持つ「保因者(ヘテロ)」です。
代表:アザンティック・ファントム・チョチョ。
保因者は見た目で分からないため、血統(系統)の記録がとても大切です。 親の遺伝子が分かっていれば、子に何が出るか計算できます。
ポリジェニック(多因子)
Polygenic1つの遺伝子ではなく、たくさんの遺伝子が積み重なって表れます。 良い個体同士の交配を世代を重ねることで、少しずつ強く・きれいにしていきます。
代表:ハーレクイン・ピンストライプ・ダルメシアン・タイガー、そしてレッドなどのベースカラー。
遺伝モデル「Kaleidoscope」
2025年に提唱された新しい考え方。クレスの見た目を「模様・色・被覆率」の3つの要素の組み合わせとして捉えます。 2026年には、子の表現を予測するツールの公開も予定されています。
フレイム・ハーレクイン・ピンストライプなど、体に出る柄
レッド・オリーブ・ラベンダーなど、体の地色
明るい色がどれだけ広い面積を覆っているか
遺伝を「カードのくばり合い」で
上の「N/有」がむずかしいと感じた方へ。同じ話を、記号なしのたとえ話で言い直します。 どのクレスも遺伝子を2枚で1セット(1枚は父・1枚は母から)持っていて、 子どもにはそのうち1枚だけをランダムに渡す——ガチャのようなものです。
アザンティックの例:当たりを1枚だけ持つ「保因者(見た目ふつう)」どうしを掛けると…
→ だいたい 4匹に1匹 が本物のアザンティック。
「保因者どうしから、いきなりビジュアルが出る」のはこのためです。