判別ガイド
見た目が似ていて混同しやすいモルフの見分け方を、グループごとにまとめました。イベントやお迎えのときの参考に。
まず:クレスの体の部位の名前
図鑑の解説に出てくる「ドーサル」「ラテラル」「クレスト」「ピンニング」などの場所を、図で確認できます。

クレスト(冠棘) crest
目の上から後頭部・体側にかけて並ぶトゲ状のうろこ。『クレステッドゲッコー=とさか付き』の名の由来で、最大の特徴。発達の度合いには個体差がある。
目 eye
まぶたが無く、舌で舐めて掃除する。瞳孔は縦長。リリーホワイトは銀灰、Fireのスーパー(BEL)は黒目に赤い瞳孔など、モルフで色が変わる見どころ。
鼻孔(びこう) nostril
鼻の穴=呼吸する部分。スーパーカプチーノ等では鼻孔が縮小することがあり、健康面の注意点になる。
口 mouth
餌をとる器官。舌でにおい(フェロモン)も感じ取る。
ドーサル(背) dorsal
体の上面。模様・色のバリエーションが最も豊かで、フレイム〜ハーレクインのパターンが乗る中心。背の縁に沿って隆起した鱗の列が『ピンニング(ピンストライプ)』。
ラテラル(体側) lateral
体の横腹。クレストが側面に並ぶ部分。ハーレクインのカバレッジ評価や、丸い白斑『ポートホール』が出る場所。
尾(しっぽ)・尾端薄板 tail / caudal lamellae
バランス・把握・脂肪蓄積の3役をこなす半把握性(セミプレヘンサイル)の尾。注目したいのが先端腹面にある『尾端薄板(びたんはくばん)』。趾下薄板と同じくセタエ+スパチュラの超微細構造を持ち、ファンデルワールス力で枝や壁面に吸着する。指先の接着に加えて尾先でも固定できる=事実上の「第5の手足」として機能する点がクレスの優れた登攀能力の秘密。自切(切り離し)するとクレスは再生しないため、尾端薄板も永久に失われる。尾のない個体は『フロッグバット(フロバ)』と呼ばれ、接着補助が1か所減る分やや不利になる。尾の付け根の模様はカプチーノのY字など判別の手がかりにもなる。
手足(四肢)・趾下薄板(ラメラ) limbs / subdigital lamellae
5本の指の腹側に並ぶ横向きの板状構造が『趾下薄板(しかはくばん)』=ラメラ。1枚のラメラには数千本の微細な毛(剛毛/セタエ)が密生し、さらにその先端がナノサイズのヘラ状(スパチュラ)に枝分かれする。この超微細構造が壁面分子と『ファンデルワールス力(分子間引力)』で結合することで、粘着剤も吸盤も使わずガラスや天井に貼り付く。指を「引く」方向で接着し、先端を持ち上げるだけで瞬時に離れる方向依存性が特徴。歩行中にほこりが自然に落ちる自己洗浄機能もある。モルフ用語では足先が白い『ソックス』、膝の白斑『ニーキャップ』もここに出る。
腹部(ふくぶ) ventral
体のお腹側。うろこが細かく柔らかい。パイドでは色抜けが出ることもある。
オス・メスの見分け方
見るのは尾の付け根(総排泄口のまわり)。オスとメスで形がはっきり変わります。

- 尾の付け根が左右にぷっくり膨らむ(ヘミペニスバルジ)
- 総排泄口の前に、点々と毛穴が並ぶ(プレアナルポア)
- 成熟するほどはっきりしてくる

- 尾の付け根に膨らみがなく、平ら
- 毛穴の列(ポア)もない
確実に見分けられるのは体重10gくらいから。若すぎる個体は当てにならず、「ベビーで性別確定」という売り方には注意。ルーペや明るいライトを使うと見やすく、下から光を透かす「バックライト法」で早めに見る上級テクもあります。
カプチーノ / フラペチーノ / ファントムフラペチーノ
いずれもカプチーノの血を引く高級コンボ。組み合わさる遺伝子が増えるほど、白く・複雑になります。
| カプチーノCapp | フラペチーノCapp + LW | ファントムフラペチーノCapp + LW + Phantom | |
|---|---|---|---|
| 尾の付け根のY字 | △ 幼体のみ・消える/無も | △ 個体差 | △ 個体差 |
| 白の明るさ | 中くらい | 非常に明るい | 明るいが灰色がかる |
| 頭の白スポット | △ まれ | ○ 成体で出る | ○ あり |
| 全体の明るさ | 暗〜中 | 中〜明 | 暗い(グレー調) |
| 黄色味 | あり | あり | 抑えられる |
| ウロコの暗い縁取り | なし | なし | ◎ あり(チッピング) |
| 価格帯の目安(海外) | $300〜800 | $800〜2,000+ | $2,000〜5,000+ |
カプチーノの「尾のY字」は当てにしすぎない(最新)
古くは尾の付け根のY字マーカーが最大の目印とされましたが、近年は加齢で薄れる・最初からない個体も多く、それだけでの判別は危険です。次の特徴を複合的に見るのが最新の考え方です。
- ・側面パターンの欠如(比較的プレーンな側面)
- ・尾の付け根の明るい白 × 尾先端の暗色のコントラスト
- ・成長とともに背中のパターンが消えていく
- ・背〜尾に沿った白いフレック(斑点)
- ・近年はライト/レッドベースのカプチーノも増え、「暗いベース」も絶対ではない
視覚だけではファントムやチャコールと混同されやすく、最も確実なのは血統(proven line)の確認。疑わしい個体は、確認済みカプチーノと交配してスーパーカプチーノの仔が出るかで遺伝的に証明します。
グレード(段階)の見分け
同じモルフでも、どこまで強く表れているかで呼び名(グレード)が変わります。
被覆率でグレードが上がる。最高峰XXX(Matt Parks/Pangea命名)は被覆に加え『高タイガー+背を横切るバンド』が本来の定義
全身のスポット(斑点)の数でグレードが上がる
背縁のラインの連続性・本数で評価が上がる
混同しやすいモルフの見分け方
色味や模様が似ていて迷いやすい組み合わせを、グループごとにまとめました。
白・明るい色の見分け
フラペチーノはリリーホワイトより白が明るく、尾の付け根にカプチーノ由来のY字マーカーが残ります。
ホワイトウォールは側面が白い帯(壁)状に抜けます。リリーホワイトは背・頭・四肢に白が広がります。
アザンティックLWは黄色みがなく青灰色のモノトーン。通常のリリーホワイトはクリーム〜黄みがあります。
褐色・暗い色の見分け
セーブルはより暗く、尾マーカーが尾の半分〜3/4まで及びます。カプチーノはY字が付け根に集中します。
ハイウェイは背中に1本の白いライン。カプチーノは尾のY字マーカーと背の白フレックが目印です。
尾の付け根にY字の白マーカーがあればカプチーノ。なく、ただ濃い褐色なら地色のチョコレートです。
ダークファントムはファントム由来の黒ベース(AE のライン由来なら『チャコール』)。カプチーノは側面パターンの欠如や尾基部の白などが手がかりで、最終的には血統で判断します。
ファントムはウロコに暗い縁取り(チッピング)が出ます。ダークベースは単に暗いだけの地色です。
グレー・無彩色の見分け
黄・赤の色素が抜けて無彩色(グレー)ならアザンティック。暗化していても黄色みが残ればファントムです。
アザンティックは黄・赤の色素が抜けた無彩色。ダークファントムはファントム由来の黒〜暗色(そのうち AE のライン由来のものだけを『チャコール』と呼ぶ)です。
ラベンダーは紫がかったグレー。脱皮前に最も鮮明に見えるのが特徴です。
模様・ラインの見分け
ハイウェイは色のラインではなく、カプチーノ・セーブルと同じ遺伝子座のアレル。カプチーノの尾のY字が欠け、3つの中ではセーブルと最も似ます。最終判断は血統で。
クアッドは背2本+側面2本=計4本のライン。通常のピンストライプは背の2本です。
模様が背中心で側面に広がらなければフレイム。四肢・側面まで広がればハーレクインです。
連続した横縞ならタイガー。縞が途切れて不規則・格子状に乱れればブリンドルです。
エンプティバックは背面の模様が消えて地色になります。ピンストライプは背縁に隆起鱗のラインが出ます。
側面に模様が広がればハーレクイン。背と側面が2色にくっきり分かれるだけならバイカラーです。
そのほか・特徴的なモルフ
チョチョは孵化時に赤・明色で、成長とともに黒く変化(ターニング)します。最初から暗い他モルフと違い、色の変化が目印です。
ファントムは全身が暗化して高コントラスト+チッピング。バイカラーは背と側面の2色分離が主体です。
最終的な判断は血統書(lineage)の確認が確実です。とくにファントムやアザンティックなどの劣性モルフは、遺伝子を隠し持つ「保因者」が見た目ではノーマルと区別できません。 親の情報が分かる個体を選ぶと安心です。